ニューサイクリング 図書館

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山中湖サイクリングツアー(1972年1月増刊号)S47

◆自転車乗りからサイクリストへ  菅沼達太郎

◆枝折峠と銀山平  萩原慎一

◆渋民への道<啄木のふるさとを訪ねる> 山本秀男

◆天草一人旅  今井彬彦

 

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【巻頭】口絵 木曽路の秋  山根徳太郎

◆陸中紀行・オホーツク紀行  綿貫益弘

◆冬枯れの大地峠を行く  高橋裕晴 

 

#山中湖サイクリングツアー  菅沼達太郎

・・此辺りはもうすっかり山深くて、道から見下ろすと道志川の蒼い水は遥か脚下を大きくうねって流れ、両岸の山は豪壮な絶壁をめぐらし、それに見事な滝が懸っている所も少なくない。文字通りまったく絶景であるが、カーブが多く路面は悪くて、降りは神経が疲れ、登りは息が切れて苦しく、休んでいる時でないとおちおち山の風景を眺め楽しむ余裕が出ない。

 

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 路傍に腰を下ろして昼飯の残りを平らげていると、突然一台の進駐軍小型トラックが前方から走って来た。作業服の米兵が数名乗っていて、東京迄何里あるかと私等に尋ねる。山中湖から来たのであろう。

 

 50里だといったら閉口したような顔付をしていた。トラックで通行するには命懸けの道路だ。大分グロッキーになっていた。・・(昭和22年11月)